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適応障害の治療について

「適応障害」の治療は、主に二つの目的があり、その目的に向かって行われます。
まず一つ目は「原因となるストレスを減らす」、もう一つは患者の「ストレスへの耐性」を高める事です。

一つ目の治療目的は分かりやすと思いますが、二つ目の「ストレスへの耐性」は聞き慣れないと思うので、先にコチラの説明をします。
実は、この「適応障害」の原因は「ストレス」の存在だけではないのです。
もし、治療を行なって「ストレス」が消えても、患者が別の「ストレス」に押しつぶされては意味がありません。

治療で一時的に「適応障害」が解消されても、発症した本人が「ストレス耐性」と呼ばれる「ストレスに対応していく力」が無ければ、また環境が変わった際に「ストレス」を感じて「適応障害」を再発する事になる可能性が高いのです。

それを避けるために「適応障害」の治療には、発症の原因となった「ストレス」から離れる、または環境を変える「ストレスを減らす」のと同時に、「ストレスへの耐性」を付ける。この両方が必要なのです。

そして、その肝心の治療方法ですが、一つ目の「ストレス」を減らす方法は一般的に原因となっている「環境要因」を適応しやすい様に調整する事です。
しかし、その「ストレス」となるのが「環境そのもの」だった場合、例えば「職場」や「学校」や「家庭の誰か」、もしくは仕事を行う為の「仕組み」等は、そこから本人を遠ざかるにしても、移動させるしても限界があるので、発症した本人が動いて「ストレス」から離れ、遠ざかる方が時には良い事もあります。

それから、どんな場合でも専門医に「適応障害」と診断されたら、一度でも良いので一定期間の「休み」を取って、体だけでなく心も十分に休ませて意欲を回復させるべきです。
そうすれば、その後から行われる本格的な治療の効果が上がるとも考えられています。
どのような「休み」の取り方が自分に合っているかは専門医の指示があると思うので、それに従って下さい。

もう一つの「ストレス耐性を高める」については、体と心のバランスを崩す原因となった「ストレス」と、それに発症者が他の人より敏感に反応した。
この関連性を考えながら、専門医は回復後も同じ状況で再発が起きない様に患者だけでなく、患者の家族のカウンセリングを行なう事もあります。
または、他人とコミュニケーションが上手くなる様に「コミュケーション技法」の指導を行う、という選択もあるかもしれません。

更に「適応障害」では、人にって「投薬治療」をしない事もありますが、患者の症状に合わせて症状を緩和してくれる薬を処方する場合はあります。