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うつ病と混乱しやすい適応障害

「適応障害」という病名が世の中に広まっても日が浅いのは事実です。
そのために、この「適応障害」と「うつ病」の症状の違いについての質問が「精神疾患」を扱うサイトの掲示板や製作者宛のメール等で数多く寄せられているそうです。
この二つの病気の大きな違いとして最初に出るのは「原因の特定が出来るか」にあります。

「うつ病」の場合は「原因」となった物事を探すの非常に難しい上に、それが無い事もあります。
また脳の働きの不調が「うつ病」の「原因」と関わっている症例もあるので、その「原因」と思われる「ストレス」を取り除いても症状が良くならないのが「うつ病」です。

これに対して「適応障害」は「原因」の特定が本人に自覚できるのが特徴といえます。
なので症状を改善するには「原因」となった「ストレス」から遠ざけたり、負担を軽くすれば良いのです。
そして「適応障害」の治療はこの「ストレス」を遠ざける方法と一緒に本人の持っている「ストレスに抵抗する力」である「ストレス耐性」を向上させる事で、別の「ストレス」が発生しても再発しない様にします。

脳の働きが影響している場合の「うつ病」は発症の仕組みが少し違うので、「抗うつ薬」の効果は「うつ病」に比べて薄いのです。
ですが「適応障害」の薬物治療は体や心に現れる症状に合った薬が使われる場合があります。
例えば、精神的な症状としてなら「抑うつ感」には「抗うつ薬」、「不安感」に対しては「抗不安薬」等が処方されます。

こうして薬を使う治療が必要な人も居ますが、「適応障害」ならば「ストレス」の取り除きと負担の軽減、それから本人の「ストレス耐性」を向上するための心理療法だけで良い人も居ます。

それから「五月病」はこの「適応障害」の別名でもあり、実は同じ病気を指しているのです。
しかし、「適応障害」は時として医療機関や「カウンセリング」、それから「セラピー」等の治療行為を特に行わなくても、何かのきっかけでまたもとの元気な状態に戻れることがあります。
ですが「抑うつ感」「不安感」「無気力」「焦燥感」が一ヶ月以上も続くようであれば、絶対に専門の病院の受診をした方が良いでしょう。